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日本、スーパーコンピュータの開発を凍結?(’09/11/23

 

今朝の日経新聞の閲読ランキングの1位に、行政刷新会議の事業仕分け第1ラウンドが終」了の記事が載っていた。

 

「科学技術関連で厳しい判定が相次ぎました。日本の競争力低下につながらないでしょうか。」と言っている。スーパーコンピュータの開発も凍結になった。民主党担当者は、文部科学省の担当者が「何故これが必要なのか?」という質問に対して説得力のある答えを示せなかったのでがっかりして凍結にした由であるが、このニュースを受けて富士通など日本のコンピュータメーカは大騒ぎなそうな。

 

まさか、スパコンの開発費を100億円減らして母子家庭にばら撒いたら次の参院選で票がとれるぞ、と考えた訳ではあるいまい。 さすがに管直人国家戦略担当者がスパコンの概算要求を認めるそうだが、愚かな判断をしたものだ。一事が万事だから、一般受けしない超重要なプロジェクトで凍結になったものが他にもたくさんあるに違いない。この様な愚かな政治的判断が続くなら日本は確実に衰退するだろう。

 

筆者は1974年に日本シーディーシーに入社した。この会社は米国の唯一のスーパーコンピュータメーカであったControl Data Corp.(CDC)の子会社だった。当時CDCのスーパーコンが気象庁、原子力研究所に売れるからという想定で技術者として入社したのだが、同社は通産省の業界指導でこれらの商談に悉く失敗し、2年後に人員整理を余儀なくされるに至った。筆者は幸いMHIとの共同研究プロジェクトに従事していたので首を免れたが、なかには幼い子供の手を引いたまま路頭に放り出された社員もいたことであった。200余名いた社員が数10名になったのだから犠牲者の数も知れよう。

 

日本のコンピュータ産業の隆盛の陰にはこうした犠牲が数多くあることを知る人は知っているに違いない。