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Better Than Freeタダより良いもの (2010//10)

お金を払う価値があるインターネットコンテンツ 

6月10日のブログの続き。

 

前のブログで、ニフティーの社長だった人が、“「インターネットはコンテンツが無料なので、これはどうやっても有料にして収益を上げられなかった」と無念そうな顔をした。”と書いた。ニフティーに限らず、コンテンツが原則無料のインターネット上の世界で、コンテンツでどうやって利益をあげるかはネットサービス業界の共通の課題だった。

 

この様な大きな命題に対する解答(ビジネスモデル)を書くには会議を何回重ねても無駄に終わる。素人に2,3時間考えてもらって解決する様な問題ではないからだ。一般に、思考の訓練を積み重ねた少数の者が現実の現象から或る概念を抽出し、それを他の概念で補強し、様々な仮説を構成し、それらを現実に当てはめてフィードバックを行う、というプロセスが必要だ。

 

例えば、Kevin KellyというWiredマガジンの編集者が2008年1月に”Better Than Free”という刺激的な論考で、インターネット上のコンテンツでユーザがお金を払っても良い場合を8つ紹介している。http://www.kk.org/thetechnium/archives/2008/01/better_than_fre.php 日本語訳はhttp://memo7.sblo.jp/article/12121626.html にある。訳文だけを読むとつい分かったつもりになって思考が深まらないので、有志はぜひ原文を読んでご自分の課題に照らし合わせて頂きたい。この8つのケースを筆者なりに解釈すると;

Immediacy;他より早く手に入れられる

Personalization;自分用に調整、変更して提供してくれる

Interpretation;自分の好み、傾向、課題を理解し、それに合ったものを提供してくれる

Authenticity;贋物や粗悪なコピーではない、高品質の本物を提供してくれる

Accessibility;TV,PC、携帯など、自分が体験したい媒体を使って提供してくれる 

Embodiment;特殊な表現手段(立体3D,超大画面、高級紙へのプリントなど)で提供してくれる

Patronage;自分がファンのスターや作家の作品なら無理しても買う

Findability;埋もれていて見付けられなかったものを見付けて提供してくれる

となる。

 

高速の光回線をどんなにたくさん売ったって、巨大データセンターの運営をどんなに効率良く運営したって、インターネットビジネスの勝者にはなれないのだ。これらは基盤に過ぎない。Googleの様に、Appleの様になる為には、これらの8つの条件を熟読玩味し、演繹して自社の条件と目的に適用し、サービスの種類と提供形態を詳細に設計し、実現し、マーケティングする必要がある。それができる社員が10人程いたら、彼の元ニフティー社長の嘆きは無かったに違いない。