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サムスンに学べということ (2010//5)

日本から学び、世界から学び、自己否定を徹底

 

日経ビジネスの7月5日号に、「サムスン最強の秘密」という特集がある。サムスンの純損益は今や日本の電気メーカ9社が束になってもかなわない。

 

日本統治時代に日本軍の物資納入業者だったサムスンは創業者が日本から経営を学んだが、現イ・ゴンヒ会長が猛烈な自己変革を社員に求め、それ以来急成長が続いている。「妻と子供以外はすべて変えろ」という語録は筆者も何度か読んだ。サムスンがNECに女子工員たちを送り込んで、日本の女子工員から学ばせたという日経新聞の記事を読んだ記憶がある。サムスンが大分成長してから、「何でサムスンにノウハウを教えたんだ」とNECは責められたらしい。しかし、頼まれたNECは、サムスンは全く関係無い相手でもないし、どうでもいい様な基本的なことを教えてお茶を濁したかった感じだったらしい。

 

筆者は、NECにとって(ほとんどの日本企業にとって)そのどうでも良い様な基本的なことが実はとても日本企業の成功にとって重要だったことに気が付いていなかったのだと思う。それは、平和な数百年の歴史を経なければ形成できない、日本の丁寧さという文化だ。

 

しかし、サムスンが学んだのは日本だけではない。日経ビジネスの2004年12月20日・27日号の148ページから、「イノベーションはこう起こせ!」という題の記事が載っている。当時サムスンの成長ぶりに興味を持っていた筆者は、成る程そういう訳か、と思ってこの記事をコピーして保存しておいた。(これだけではないのだが) この副題は「サムスンを変えた米国人が日本企業に送る5つのアドバイス」とある。見出しは「サムスン電子のブランド戦略を劇的に変革したことで知られる。同社を率いるデザイナーが組織変革を起こす手法を語る。」とあり、記事でその5つの方法を伝授している。変革の手法とは以下の5つである。

 

1.  感情を移入して観察せよ。

2.  外部との情報交換が頭を柔らかくする

3.  イノベーションは障害物競争だ

4.  大胆な協力・提携が社内を活性化する

5.  チームビルディングは夢の共有から

 

今の日本企業にも十分通用するのではないか? 絶頂期の80年代と失われた20年を過ぎた今、日本企業は海外に出て行くしかなくなっている。変革が必要な企業は多いだろう。

なお、この記事のコピーは、筆者にご連絡頂ければお送りします。