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楽天が社内公用語を英語にした(2010//7)

英語ができるのがそんなに偉いのか!!

 

8月7日の日経新聞夕刊の「あすへの話題」欄に寺澤芳男という方が「待ったなしだ」とコメントしておられる。「英語屋がのさばるのでは」に類する否定的なコメントが多いなかで真っ当な意見なので心強い。この種のコメントは100年近い伝統的なものなので、「未だこんな意見がまかり通るのか」だが、筆者の経験から言わせてもらうなら、「こいつは英語は下手だけど内容あることを言ってるぞ」と思えば耳を傾けて聞いてくれるものなのだ。まともな相手ならば。

 

「日本語が話せないで仕事が出来るか?」という質問には「出来ません。」としか答え様が無いだろうが、それと同じレベルで「英語が話せないで仕事が出来るか?」であるべきだ。

 

筆者が9年間勤務したノーザンテレコムは英語が公用語だったので、報告書の類はすべて英語だったし、会談では日本人だけでなければ英語で喋った。帰国子女の中には英語得意です、を見せびらかす者もいたが、実務が出来る程度に応じた処遇しかされなかった。ご本人は不満だった様だが。 確か、日本人で日本支社の社長になった人も余り英語が得意でなかったという噂で、部下が書いた英語のレポートを読むのに辞書をつかっていたと聞いた。

 

筆者も資料を読むのに辞書を度々引いたが、勤務中にこっそり英語を勉強してやろうと思って一計を案じた。通常辞書を引いた時は該当する訳語を見付けるだけだが、引いた単語の記述を全部じっくりと読むことにしたのだ。筆者はノーザンテレコムを辞めてから初めてTOEICを受けたが、845点だった。こんな地道な努力が効果的だったのかも知れない。大体英語力を高める努力もしない奴が言う「英語屋がのさばるのでは」は自己の怠惰に対する言い訳である。アメリカでは子供でも英語を話しているではないか。

 

面白かったのは、富士通からノーザンに転職した技術者だった。面接の時「英語は全く駄目なんです」とはっきり断って「それなりに処遇するから」という言葉を信じて入社したのだが、入ってみれば他の社員と処遇に大した違いは無く、外人と英語で話したり英語でレポートする環境に放り込まれた。「こんなの詐欺ですよね」と言われたのだが、ノーザンも出来る者を採用したかったのだろう。ご本人も自分なりに英語を勉強して、次第に様になって来たのだった。