太陽系大航海時代をむかえて(2010/1/14

日本人は農耕民族か?

 

過日NECの展示会『C&Cユーザーフォーラム&iEXPO 2010』を見に行った、イトカワから還って来たハヤブサのカプセルを見たかったのだが、長蛇の列で諦めた。展示会来訪者がずらりと列を作って待っている様をみると、日本のビジネスを支えリードする者達の静かな高揚感が感じられ、時代の閉塞感なんて嘘だ、という気になる。JAXAが「太陽系大航海時代に向けて」と宣言し、この時代を開く役割を日本が担いリードするという画を現実に見せたからだろう。

 

「大航海時代」という言葉がこれらの来訪者の心にこれだけ訴えたのは何故だ?と考えると、日本人って海洋民族の要素が非常に強いからじゃないかと思うに至る。中根千枝氏が日本人は農耕民族だと唱えて以来、西洋人は狩猟民族で俺達日本人は農耕民族だからという単純な割り切りをして来たが、日本人は実は海洋民族だったのだと考えると新たな地平というか、水平線が見えてくる様な感じがしないか?

 

例証には事欠かない。海洋民族の文化、神話は日本の各地に残っている。日本の首都は奈良、京都以降は全て海沿いにある。(奈良、京都は大昔の中国の真似だから勘定に入れない方が良い。)日本の海沿いに暮らす者の総人口の全人口比を中国のそれと比べてみれば良い。超有意な差になるだろう。日本の海岸線の総延長は中国のそれに匹敵するだろう。明治になって開国したとたん世界有数の海軍国になってロシアとの戦闘に勝った、等々である。

 

人間の行動、態度は自分がどの様な者かと認識するかにより大きく変わる。血液型性格占いでも分かる通り、A型の生真面目人間だと言われればその様でもあり、その様でない様でもあるが、そうだと思えば生真面目に行動してしまう。農耕型だと思えば、どうせ狩猟型には敵わないのさ、と内向きになってたがいに傷を舐めあうことにもなる。自分が海洋型という狩猟型民族の子孫だと思えば新たな可能性に気付く。明治以降の日本の歴史を振り返ればそれが確信になるだろう。

 

ICTの発達の為に、国境の壁がどんどん低くなり、国家の檻の中で安穏に過ごしきれなくなって来ているのを考えると、自分達は海洋民族なんだと自覚し、宇宙の大航海時代をリードしようとすれば、様々な新産業を生み出し世界をリードすることができるだろう。