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2011年モバイル世界大会報告(2011//6)

今年世界のモバイル業界の収益は1兆ドルの大台を突破するかも

 

弊社のExecutive AdvisorであるDr. Mehmet Unsoy から報告が来たのでシェアしたいと思います。Unsoy氏はノーザンテレコム時代に筆者と一緒に仕事をした後ブリティッシュテレコムで3G導入を主導し、現在通信に関するコンサルティング集団mSolve Partnersを主導しています。この報告書はmSolveのメンバーからの情報も集約しています。

 

*** 以下、報告 ***

6回目のモバイル世界大会(MWC)201121417日、スペイン、バルセロナで開催されました。 出席者数の大幅な増加(事務局は60,000人と発表)だけでなく新しい展示団体も増え、重要な新製品やサービスの発表もありました。 展示フロアには巨大な群衆がいましたが、屋外での活動はぐずついた天候のため多少制限されました。 我々は60を超えるミーティングに参加し、無数のミーティングに参加しました。報告を、以下要約してご説明します。

 

業界の方向性: 過去2年間に比べ、業界の人々との議論全てにおいて、熱狂、楽天主義、前向きな見通しが見られました。 数に関しては、業界は2010年にモバイル加入者数が50億の大台を突破しました。 従って、我々には最後の十億の市場が残っていることになります。 インドには75700万の加入者があり、成長率が45%であり、一方中国は84000万の加入者があって世界ナンバー・ワンですが、現在の成長率は15%しかありません。 従ってインドが今年中にモバイル加入者数で中国に追い付くだろうと思います。 開発途上国で顕著なのはスマートフォンの普及度です。 西ヨーロッパが31%なのに対して米国の加入者の27%が現在スマートフォンを使っています。 戦略分析の専門家によるとスマートフォンの出荷は2010年に67%急増しました。 また、インドのBharti AirtelやカタールのQtelなどの新興市場の通信事業者がMWCに強い興味を示しました。エジプトなど複数の新興市場国が初めてブースを持ちました。 

 

Informa(研究グループ)は、昨年世界の900の強力なモバイルの通信事業者が9650億ドルの収益を生み出し、2011年には収益が1兆ドルの大台を突破するだろうとMWCで述べました。 これはモバイル業界の重要なマイルストーンになるでしょう!

 

重要なテーマ: この大会の主要なトピックはノキアとマイクロソフトの発表、Google、タブレット、新アンドロイド携帯、LTEHSPA+、半導体、アプリ・ストア/WAC、クラウド、ソーシャルネットワーキング、LBS、モバイルマネー、メッセージングとRCSmヘルス、ネットワーク最適化でした。 これらの詳細を見てゆきましょう。

 

ノキア・マイクロソフトの発表:ノキアは世界最大のスマートフォン企業であり、且つ世界最大の携帯端末業者です。 最近同社はアップルのiOSGoogleのアンドロイドなどのスマートフォンビジネス、複数のアジアメーカーからのローエンド製品のプレッシャーを受けています。 ノキアは過去にSymbianに多額の投資を行いましたが、はるかに遅れています。 昨年のMWCで、ノキアはインテルと共同でMeeGoがらみの新イニシアティブ、ハイエンド機器向けの新OSを発表しました。 今年のMWCで最初のMeeGo機器が見られるのではないかという期待がありました。

 

マイクロソフトは他方、昨年発表した新スマートフォンOSWindowsフォン7(WP7)を上手に展開し、多くのポジティブな反応を受けました。サムスンやLGなどの携帯端末メーカはWP7を発表しました。 しかしマイクロソフトのWP7マーケットプレイスは8,000のアプリしか無く、アップル(36)Google(15)のずっと後ろを走っています。

 

MWC1週間前、我々は最近ノキアCEOに指吊された、Stephen Elopがノキア従業員に送ったメモが漏洩したことを耳にしました。 このメモの中でElop氏はノキアの状況を北海の油田掘削装置上の火災と比較し、会社を救うために凍った海に飛び込む考えだと述べています。この凍った海への飛び込みは2011年MWCの金曜日に行われ、ノキアはスマートフォン用にマイクロソフトWindowsフォン7(WP7)オペレーティングシステムを採用すると発表しました。これはSymbianを事実上殺し、MeeGoを保留することになります。後日、ノキアのOviをマイクロソフトのWP7マーケットプレイスに展開することも明らかになり、その他様々な検討も2社間で行われました。 我々はノキアとマイクロソフトが3番目の主要なエコシステムを形成しようとしているのだとも聞きました。1,2番目はアップルのiOSGoogleのアンドロイドコミュニティです。

 

しかし、顧客、投資家、ノキア従業員は、これが間違った決定かもしれないという反応を示しました。 マイクロソフトは現金を払わずにノキアを買収しているように見えます。 一番問題だったのはノキアWP7スマートフォンのロードマップが欠けていたことです。 Elop氏は、今年末までに少なくとも1つの端末を持ちたいと言っていました。 しかし或るマイクロソフトのエグゼクティブが関連する質問に対して、新モデルの車をコンセプトから展示会場で展示できる様になるまで6年かかるという例えで回答しました。これがマイクロソフトとノキアが取るアプローチなら、両社は我々が今いるこの非常に速く変化する世界では戦いに負けたことになります。 以下のグーグルの説明をご覧ください! 

 

ノキアのElop氏は、成長のため新興市場に的を絞っているとも発表しました。 誰かが、マイクロソフトはソフトウェアに集中し、一方ノキアはハードウェアに集中する様だと言っていました。 この様な戦略はノキアにとって意味がないかもしれません。ソフトウェアにこそ価値があり、ハードウェアのマージンはアジアメーカーからのプレッシャーのおかげで消えようとしているからです。 ノキアは業界で勝つ為の統一した戦略を持つ必要があります!

 

私の見解では、ノキアにはスマートフォン用のオペレーティングシステムをたった1つにする理由はありません。1つのOSしか使えないというのはノキアにとってもノキアの顧客にとっても全く利益になりません。 事実、(全てでないとしたら)ほとんどのノキアの顧客の通信事業者はマルチOSサポートが好みです。 業界2位の携帯電話機メーカのサムスンは3つのオペレーティングシステム、アンドロイド、自社のBada、マイクロソフトのWP7をサポートしています! 加入者も通信事業者も選択肢が欲しいと思っていて、1つのサイズで全てに合うわけではなく、ノキアは今自社のスマートフォンユーザにWP7しか持てないと言っています。 これは短期的にはマイクロソフトの利益になるでしょうが、モバイルの生態系の中でのノキアの立場を破壊するかもしれません。さらに、或る貴重な資源がノキアを去るので、数か月以内にヘルシンキで新興企業が立ち上がるのを見るかもしれません。 明らかに、Elop氏はつらい決断をする必要がありましたが、たぶん、これは正しい決定では無かった様です。 何の警告も無しに単に北海の凍った海に飛び込んでだのでは助かるチャンスは細ります。

 

グーグル: 「どこでもアンドロイド」 - ノキアの影響力が様々な要因のため減少している一方で、Googleのアンドロイドは2011年のMWCの何所にでもありました。 発表されたほとんどすべてのスマートフォンとすべてのタブレットはアンドロイドでした。 いくつかのホールにあるGoogleのブースは最も多くの参加者を引き付け、アンドロイドバッジとアンドロイドロボットのモデルはコレクターアイテムでした! 誰かが言ったように、これはGoogleMWCでした! じき退任するGoogleCEO、エリック・シュミットは、現在27の機器メーカがアンドロイドをサポートし、彼らはこれまでに170のアンドロイドモデルをリリースし、世界69か国の169通信事業者で使えることを発表しました。 彼は、新しく利用できるアンドロイド端末は現在1日あたり35万台だと言いました。これは年間にすると12700万台になります! これは信じられないペースです! モトローラ・モビリティーCEOSanjay Jha氏から、GoogleがアップルのiTunesと張り合うためにアンドロイドHoneycomb(3.0)を使ってグーグルミュージックを始めるかもしれないというニュースを知りました。 アンドロイドの断片化が懸念として会議の間に表明されました。 エリック・シュミットは聴衆に(スマートフォン用の) Gingerbreadとハニカム(タブレット用の)Honeycombを併せてIce Creamという新バージョンを計画していると言いました!なんて甘い計画!

 

ところで、アップルはMWCでは自社のブースは持ちませんでしたが、アップルは何所にでも、誰の心の中にもありました。アップルが過去12ヶ月にしたことに呼応して、多くの新製品やサービスを誰かが発表したからです。 さらに、iPhone 4はその年の最も優れた機器としてGSMA賞を受賞しました!

 

2011年はタブレットの年: アップルのiPadがちょうど10ヶ月前にラウンチし、以来1500万台売れたことは異例でした。iPadはアップルにとって大成功だっただけでなく、モバイル生態系の中で新しい機器とプラットフォームのカテゴリーを広げました。 アップルiPadだけのために現在6万を超えるアプリがあります。 これはマイクロソフトマのマーケットプレイスがWP7のために用意したアプリの約8?であり、それはiPadの数カ月前にラウンチしたにも関わらず、ということを考えると興味深いことです。

2011年MWC 2011年の前、1月のラスベガスのCESショーでは既に世界中の64ベンダから100以上のタブレットモデルがリリース、アナウンスされました。 今年は100以上のベンダが1億を超えるタブレットを売るだろうと予測されています。 2011年MWCではいくつかの主要な新しいタブレットモデルの発表があり、新天地を開きました:

         SamsungGalaxy Tab 10.1 :アンドロイド3.0(Honeycomb)1Ghzデュアルコア、HSPA+、ボーダフォンが20か国でリード

         RIMのブラックベリーPlaybook:最も広範囲の企業用機能をサポート。(吊前に似ず!)マルチタスキングとフラッシュをサポート。主な利点Wi-FiWiMAXHSPA+LTEの組み合わせをサポートする4つの異なるモデルの発表です。この様なモデルは初めてです!

         HP TouchPadwebOSで、素晴らしいユーザインターフェイスでPalmユーザを魅了。webOSPC/ラップトップ(マイクロソフトの費用)に搭載され、従ってHPタッチパッド開発者へのアピールが増している。近い将来多くのタッチパッドアプリが見だれるだろうと思う

         MotorolaXoom:(CESで既にアナウンス済み)デュアルコアプロセッサとアンドロイド3.0HSPDAWi-Fi、デュアルカメラを装備。

         HTC Flyer 1.5GHzのクアルコムSnapdragonプロセッサ、HSPA+機能。とても興味深いのは装置上でノートをとる為にスタイラスが付いていること。

         オレンジは自社ブランドの7インチタブレットをラウンチ。Huawei製。入門レベルのタブレットとして提供。これは通信事業者による初めての提供であり、他の通信事業者が後に続くと思われる。

 

タブレット市場はせいぜいニッチ市場であり、ラップトップを置き替えられないと未だ思っている業界アナリストが何人かいます。 私はこの意見に強く反対します。 タブレットは短期間に実用的で流行に敏感な新しいモバイル機器として消費者と企業に受け入れられました。ラップトップ、iPadiPhoneのヘビーユーザとして、私はこれらが互いに補完すると思います。

 

次世代のアンドロイドフォン;初めてのアンドロイドフォンは去年のMWCで発表されました。 過去12ヶ月間、アンドロイドは大きく飛躍し、今年のMWCの間、次世代アンドロイドフォンの立ち上がりを見ました。 HTCは特に先行し、新型の機器を5モデル発表し、今年の機器メーカ賞を獲得しました。 興味深い新型のアンドロイドスマートフォンは以下の通りです:

  • HTC’フェースブック” フォンHTC2つの機器、ChaChaSalsa(スマートフォンとしては面白い吊前!)を発表しました。これらには専用の“F”ロゴが付いていて機器についている他のどんな機能とも連携してフェースブックとのインタラクションを可能にします。この様なソーシャルネットワーキングとの深い統合はトレンドとして他のメーカも追随すると思われます。
  • Samsung Galaxy S IIGalaxy Sの後継機。(HDスクリーン、8メガピクセルのオートフォーカスHDカメラ、テレビ会議用の2番目のカメラ。前のモデルよりスクリーンは大きいが、より薄い。

         LGの初めての3DスマートフォンOptimus3Dスマートフォン。デュアルコア・アーキテクチャを使用。特殊めがねをかけずに3Dビデオを見、機器背面の特別なダブルカメラで3Dコンテンツをキャプチャできる!! LGが発表した様に、この機器は3Dモバイルコンテンツを作成する触媒として働くでしょう。

         Sony EricssonPlaystation phoneXperia Play。アンドロイド2.3(Gingerbread)Snapdragon 1 GHzプロセッサ、スライドアウトのパネル、ペアのタッチパッドジョイスティック。モバイルゲームに没頭でき、多くのソーシャルネットワーキング機能も装備。スマートフォンとして真に新しい経験!

 

LTE展開 対 既存のHSPAネットワークの年:現在世界で商用のLTEを展開している通信事業者は米国のVerizonMetroPCS、ドイツのボーダフォン、スウェーデンのTeliaSonera、フィンランドのエリサ、日本のドコモなど17社あります。 しかし、世界には180を超えるLTEの試行サービスがあり、その内128社が52カ国でサービスを提供するコミットをしています。GSMAは2012年末までに商用可能なLTEネットワークが64に達するだろうと予測しています。調査会社Wireless Intelligence社はもう少し積極的で、2011年末までに商用可能なLTEネットワークは55になり、加入者数は400万だろうと予測しています。 また、Telstra(オーストラリア)MWCで、年末までに1800 MHzでLTEをラウンチする最初の通信事業者になると発表しました。 その他ニュースとして、LTETDFDD版に収斂させるという主要通信事業者の強いサポートがあります。これによりLTEの展開にスケールメリットが可能になります。 

 

LTEはワイアレス業界に多くの新しい刺激を間違いなく与えています。 新しい大規模な資本支出は常に、誰にも新しいビジネスチャンスを提供します。しかし20+MbpsのスピードのHSPA+は、我々が今日想像できるアプリのほとんどに対して充分過ぎるということではありません。 事実、エリクソンは、最大168 MbpsHSPA+ (マルチキャリア、64QAMMIMO)で可能であることを示しました。 今日HSPAサービスを提供する通信事業者が世界に300以上あり、HSPA加入者が4億人以上あり、毎月新規加入者が1700万増えています。従って、この点から見ると、LTEサービスに対する消費者のニーズがどれくらいあるかはもっと明確にする必要があるでしょう。

 

半導体: 2011MWCではデュアルコアと4プロセッサのマルチコアCPUがチップに関するホットな話題でした。クアルコムとNVIDIAの2社がスマートフォンやタブレットのコアで競争しているように見えます。 NVIDIAは技術上リードしている様に見えますが、今年少なくとも3スマートフォンと10タブレットにTegra 2デュアルコアCPUを搭載しています。 NVIDIAMWC4コアのTegra チップを今年の夏からタブレットに搭載し、年末までにスマートフォンに搭載すると発表しました。4コアCPUを使うとタブレットは1440pのビデオを完全なブルーレイ品質で表示できます。 クアルコムは2.5GHzSnapdragon CPUのシングルコアとデュアルコアバージョンを発表し、2012年に発表する未来のタブレットが4コアを持つことができることを約束しました。このチップはLTENFC3Dビデオをサポートし、4コアバージョンは最高20のメガピクセルのカメラをサポートするでしょう! この様なプロセッサの短期の展開により非常に高速のアプリが可能になるでしょう。 しかし、警戒すべきはソフトウェアボトルネックです! インテルは今年少し性能が低く、控え目な展示をしました。 ノキアがMeeGoを放棄したのがその理由ではないかと疑っています!

 

私はNewPort Mediaの様な、より小規模の半導体メーカとも話しました。同社はデジタルTVやモバイルTVチップからLTEチップの様な隣接した市場にビジネスを拡張しています。Altair Semiは超低消費電力のLTEチップを提供しています。4M Wireless  SySDSoft LTEソフトウェアスタックを機器と機器のメーカに提供しています。チップレベルではエキサイティングな時です!

 

アプリ・ストアWAC:昨年、2010MWCで、グローバルキャリア24社と機器メーカ4社が卸売りアプリケーションコミュニティ (WACWholesale Application Community)という吊のグローバルなアプリ・ストアを発表しました。 この発表は懐疑的に受け取られ、私も同様に懐っていました。 今年のMWCでは24社のモバイル通信事業者の内8社が新発表をしました。それは、今や彼らはスマートフォンと高機能電話の両方をターゲットとし、12,000のアプリがあるWACに接続されている、というものでした。 先週MWCで公開されたWAC 2.0仕様はHTML5に基づくので、リッチメディアをウェブにアロケートできるでしょう。 WAC 2.0はまた、より強いセキュリティと様々な有益なアプリをサポートします。 8社の通信事業者が今年この動きに参加するかも知れません。オペラソフトウェアはWACベースのアプリ・ストア向けに小型のランタイム・ソリューションを発表しました。 また、Huawei はフィリピンの通信事業者Smartと最初のWACストアを発表しました。

 

しかし、アプリ開発とアプリ配布の生態系は動きが速いです。 モバイル通信事業者は、自分達が素早くWACを導入していると思っていても、iOSやアンドロイドのコミュニティに比べて非常に遅いのが現実です。 最も重要なことは、開発者はWACに非常に懐疑的で、これを時間の無駄と考えているかも知れません。 WACを時間の無駄と看做すには早すぎるでしょうが、通信事業者は加速し、追いつく必要があります。 さもなければ、列車に乗り遅れることになります。もしそうでなければ、ですが。

 

クラウド: クラウドの使用は、通信事業者が提供するクラウドベースサービスだけでなく、機器メーカが提供するクラウドベースサービスや、社会基盤を提供する企業等からのクラウドベースの無線アクセスネットワークなど、既にどこでも行き渡っています。 チャイナモバイルとAlcatel-Lucentは、費用対効果、ネットワークインテリジェンス、エネルギー効率に関する新標準を設定するために集中化し、協力的な、クラウドベースのRAN(C-RAN)を研究しています。 ZTEはこのC-RAN40%TCO節約発表しました。 社会基盤の提供事業者や通信事業者は、どこも自社の網管理とITアーキテクチャをクラウドコンピューティングに進化させている様に見えます。 ZTEもクラウドベースのiMarket(グローバル通信事業者のためのアプリ・ストア)を提供しています。 HTCはクラウドベースのゲームサービスOnLiveに投資しています。 Asus個人用機器に秘密の機能を与えるミステリークラウドコンピューティングも計画しています。これは今年の後半にEee Padをベースにしたものでしょう。NECは、初めての、「あなたのポケットにクラウドを」サービスを導入しました、このサービスを使うとネットワークに接続していてもいなくてもサービスにアクセスできます。 最後に、モバイル広告最適化会社Smaatoは現在自社を「モバイル広告クラウド」と位置付けています。 我々は今や全員がクラウドの中にいるように見えます!

 

ソーシャルネットワーキング: ツイッターとSkypeに関して多くの活動がありました。 全ツイートの40%がモバイル機器からの発信のようです。TwitterCEODick CostoloMWCsigning operator agreementsにいたのも上思議ではありません。 最近ツイッターとフェースブックが中東のいくつかの国で抗議行動を引き起こす切掛けになったので、カタールのQtelとクウェートのWataniyaがツイッター.との契約サインしたことは興味深いことでした。QtelSkypeとも主要な取引にサインしました。 ツイッターはクラウドで提供する翻訳も発表しました。これは,最初はトルコ語、ロシア語、インドネシア語、ポルトガル語で提供し、地球規模のソーシャルネットワーキングに高めようとするものです。 これは英語、フランス語、ドイツ語、イタリア、日本語、朝鮮語、スペイン語でも使えますが、集中化してはいません。 GemaltoSIM用フェースブックを公開しました。これを使うと通信事業者はSIMカード上にフェースブックアプリを埋め込み、ユーザはSMS経由でソーシャルネットワークにアクセスできる様になります。 MyriadXumiiプラットフォームも紹介しました、これは、通信事業者がSMSUSSD経由でソーシャルネットワーキングを提供できる様にするものです。 ?Exclaim Mobilityの様な写真とビデオを共有する会社は複数のプラットフォームを横断する、ユーザが作るコンテンツ(UGC)を使ったソーシャルネットワーキングソリューションを提供しています。

 

位置情報ベースサービス(LBS): 2010年は位置情報ベースサービス(LBS)が広まり始めた年だったと思います。 LBSの市場は2015年に世界で210億ドルくらいになるかも知れないと予測するアナリストがいます。 MWCでは、deCartaが次世代の、無料の、ホワイトラベルのマッピングAPIをグーグルマップAPIの代替案として、レベニューシェアでスタートしたという重要な発表がありました。従って広範囲のアプリと連携して地図情報を提供する費用効果が高くなります。 ?Facebook Placesfoursquareなど数社が位置情報ベースのソーシャルネットワーキングを提供していますが、Telenityの様な小さな会社が、メッセージングと位置情報ベースのソーシャルネットワーキングとサービス配信プラットフォームを組み合わせたサービスを提供しています。 事実、スマートロケーションサービスを組込み層と同じ層に統合したり、ソーシャルネットワーキングの様に位置情報の価値を活かしたサービスとしてLBSを展開している例を見ます。

 

モバイルマネー: MWCの間に数社が近距離無線通信(NFCNear Field Communication)を発表しました。 RIMは今年後半NFC付きのブラックベリー装置を数タイプ発表することを示唆しました。 サムスンはWaveスマートフォンをベースにBadaの類似のサポートを発表しました。 英国ではO2が財布内蔵の携帯電話を提供する計画です。 同様に、Everything Everywhere (T- モバイルとオレンジ)はマスターカードと共同で、第2四半期までに商用のNFCサービスを開始する準備をしています。 2012年のロンドンオリンピックが非接触の支払いサービスを開始するターゲットになっています。 オレンジは非常に積極的で、近距離無線ベースのサービスを今年の後半にフランスとスペインで開始する計画で、年末までにはスマートフォンの半数がNFC対応になるだろうと見ています。

 

しかし、近距離無線がハイエンドのスマートフォンだけでなくマスマーケット向けの携帯に広く普及するには数年かかると思われます。また、モバイルペイメントと携帯型財布サービスは単に近距離無線技術を端末に搭載するよりずっと複雑です。 その一方で、世界中に、特に新興市場に提供できるソリューションを実現する技術が他にあります。 例えばパッシブRFIDを使ったステッカーはそうしたソリューションの1つです。南アフリカのFundamoは先進的な携帯型財布サービスを提供しています。これは新興市場での「銀行口座を持たない人の為のモバイルマネー」という位置付けです。 フランスのTagAttitude社は単純ですが興味深い技術を採用しています。これはどんな携帯でも利用でき、新興市場でのマイクロバンキングの様なサービスです。

 

メッセージングとRCS フェースブックとツイッターに対する市場の大騒ぎに反して、多くの調査の結果、テキストメッセージングがソーシャルネットワーキング、モバイルマーケティングでは最も単純で普及しているサービスであり、それは類似の開発済の市場や開発中の市場でも同様であることが分かりました。 しかし、2011MWCではいくつかのIPメッセージングソリューションの発表がありました。例えばAirwideが提供するSIPXMPPベースのIPメッセージングやMavenirが提供するLTEベースのIPメッセージングサービスがあります。これらはLTEベースのMMSSMSメッセージングサービスでMetroPCSがダラスで開始します。

 

ドイツテレコム、オレンジ、テレコムイタリア、テレフォニカ、ボーダフォンなどの複数の主要通信事業者がIPメッセージングの一部としてRCS(Rich Communications Suite)の共同発表を行い、これに対する興味が新たに喚起されました。 これらの通信事業者はRCSの機能強化版としてRCS-eを支持しました。これはインスタントメッセージング、ライブビデオ共有、ファイル転送を任意の機器、ネットワーク事業者を横断して使える様にするものです。 彼らは、2011年遅くRCS-eサービスをスタートする計画です。BhartiSKテレコム、OrascomTelenorWataniyaなど他の通信事業者は2012年にこのサービスに参加するかも知れません。 RCSの仕様はIMSに基づき、どんな通信事業者でも、どんな機器でも相互に使えるのでユーザのコミュニケーションの選択幅を大きく広げます。

また、RCS提供事業者を対象にした新しいGSMA賞がありました。受賞者は、米国のJibe Mobile、フィンランドのMovial Applications、スペインのSolaiemesでした。 例えばMovialLTE対応の適応型ビデオ呼出しアプリMovial Communicatorをスタートしました。これは画像と音質を最適化するために各ビデオ発呼者の帯域幅、CPU、カメラとスクリーンの解像度を検出します。

 

mヘルスmヘルスは大きな進展があった様です。先進国市場での高齢化人口の増加に対処する創造的なソリューションや、新興市場で様々な公共医療サービスを可能にする発表がありました。会議ではmヘルスの遠隔監視、自己診断、ビジネスモデルに関する非常に興味深いセッションがありました。 モバイルヘルスパビリオンはmHealthアライアンスや連合体など、複数のキープレイヤーをホストしました。 GSMA組込みモバイルハウスが特に興味深い展示でした。そこにはエリクソン、IBMなどのメーカ、AT&T、クアルコム、ボーダフォン、KTなどのサービスプロバイダからの最新の組込みモバイル技術の展示があり、これらの技術が医療を含め人々の生活をどの様に改善しているかを見せていました。 アナリストは慢性疾患の患者を遠隔監視するだけでも年間1,750から2,000億ドルの節約になるだろうと予測しています。 また、mヘルスとして身体の状況を遠隔監視するサービスを提供すれば、ずっと多くの患者一人一人の生活に役立つことは明らかです。

 

ネットワーク最適化: 我々が話したほとんど全員がネットワークの性能について上満や懸念を持っていました。 ビデオの様なリッチメディアがより多くネットワーク上にロードされるに従い、広帯域の伝送路を、特にデータとビデオのために至急最適化する必要があります。 この為の技術として議論したのはビデオ圧縮、DPI(deep packet inspection、バックホール回線、ネットワーク最適化などです。 しかし、モバイル通信事業者がどれほど積極的にこの技術を利用しているか、また、これらの技術が、直面する帯域幅問題全てを充分に解決するかどうかは明らかではありませんでした。 たぶん、答えは、ノーで、我々にはこの分野でより多くの革新が必要でしょう。

 

 表彰: 2011MWCの間に授与された主な賞は以下の通りです。

 

 

来年: モバイル世界大会2012はバルセロナで開催予定です。2013年~2017年の開催地は未定で、GSMAは今後数ヵ月内に決ますでしょう。 30都市をレビューし、最終候補地はバルセロナ、ミラノ、ミュンヘン、パリの4つに絞られました。 ミュンヘンに決まるのでは、という噂を聞きましたが、様子を見る必要があります。