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最高裁大法廷が1票の格差は違憲と判断(2011//24)

最高裁が諸悪の根源と思っていたが

 

3月23日の日経新聞は「09年衆院選、1票の格差『違憲状態」」と題して最高裁判所が2009年の衆院選での1票の格差を違憲状態と結論付けたことを報道している。これは東日本大震災関連の報道に隠れて大きく扱われていないが、今後の日本の進路を決定する上で重要な判決になるとして筆者は注目して来た。何故か?

 

法の下の平等という議論は勿論だが、アラブ各国での政変にも見られる様に、世界の政治と産業のパラダイムが大きく変化している中で日本が変われずに低迷し続けている根本の原因は日本の政治が産業界のニーズを迅速的確に反映していないからだと思うからだ。既得権益が消えるべき産業を徒に延命させる構造になっているからだ。国富を増すのは産業界であり、産業界が強くなり、利益が増え、紊税額が増せば日本の諸問題は自然に解決するだろう。その為には産業界の新陳代謝を良くしなければならない。

 

アラブの政変がフェースブックに代表されるICTの地球規模サービスの浸透に大きく影響されているのは報道で明らかになっている。このグローバルなパラダイムチェンジに産業界は適応しようと努力しているが、日本の上幸はこの時期に19世紀的構想を墨守する政党が政権を取ったことであり、それが小選挙区の仕組みで実現したことだ。小選挙区は政権交代が起り易い様に設計した人工的な仕組みであり、それによって成立する政権は国民全体の意思とは乖離が大きいのが特徴だ。この乖離が1票の格差でさらに大きくなっている。最高裁はこれに対して合憲の判断を続けていたが、ここへ来て違憲判断に動いた。これは歓迎できるが、09年の衆院選を無効にはしなかった。この判断に国会がお茶を濁す様な対応をすれば、次は「選挙無効」の判決になるだろう。最高裁は「ビビらないで」欲しい。

 

選挙区の是正案がいくつか報道されているが、どれも弥縫策の域を出ない。ここは思い切って日本全国1選挙区を提案したい。理由はいくつかある。

1.  そもそも、選挙区というのは利害関係者(選挙民)の単位(範囲)で定義するべきだ。村議会の選挙区は全村が、県議会の選挙区は全県民に限定するのが筋である様に。

2.  国政に関する利害関係者は全国に散在している。この散在している地域を1選挙区とするのが妥当だ。

3.  当選者は地方の狭小な地域の利害関係から選出される為、どうしてもツブが小さくなってしまう。また、少数の利益集団が代表を国政に送り出せてしまうのでは国を誤る

4.  19,20世紀とは違ってICTの発展により大選挙区を運営するのは容易であり現実的になっている。

 

旧いパラダイムをベースに展開してきた選挙理論を学習して来た法律家達はこの様な変化に極めて疎いのか、または理解できていないのではないか。ICT関係者は日本全国1選挙区を実現する具体案を提言して良いのではないかと思う。これによっていくら儲かるのか、などというケチなことは言わないで欲しい。これによって日本の議会制民主主義を100%民意に同期させ、産業の新陳代謝を活発にし、世界での日本のプレゼンスを復活できるのではないか、と愚考する次第だ。