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ネット広告 止まらぬ成長(2012/12/27)

広告代理店に迫るビジネスモデル転換の風圧

 

今朝の日経新聞に“ネット広告 止まらぬ成長”という記事が載っている。副見出しは“欧米新聞各社、シフト急ぐ”だ。世界の広告市場で2013年にインターネットが新聞を抜きテレビに次ぐ第2の広告媒体になる見通しになった、と報じている。ネット広告は2桁成長が続いており、2015年には新聞と雑誌の合計も上回る見込みなそうだ。

 

日本の新聞社はこうしたトレンドを読み込み済みで巧拙の差はあれ日経新聞を始め独自のネット配信サイトを運営しているし、ニュースを他のポータルサイトなどに販売している。新聞社は自社のネットサイトでの視聴率(アクセス数、クリック率)をどうやって上げるか、が課題となる。従来の見出しを多用したグラフィカルな紙面構成には根強い人気があり、ネット上でそれを再現し、そこから読者を詳細記事に誘導する方法を採っているサイトもある。だが、それはメディアが紙からネットへの移行期だからだ。ネットなら動画も載せられるし、読者の行動特性に合わせてパーソナライズした画面(紙面)を柔軟に構成して提供することもできる。

 

こうしたネットの特徴を早く上手く採り入れたサイトが勝者になるだろうことは容易に想像がつく。それをサポートするのが、“どの読者にはどのニュースをどの様な優先度でどう見せたら良いかをリアルタイムで画面構成システムに推奨するシステム”であり、このシステムの優劣がニュースを読んでもらえるかどうか(クリックされるかどうか、つまるところ収益率)にもろに影響する。

 

広告だってニュースだと思えば、広告代理店の機能も変わらざるを得ない。インターネット以前、メディアを持たない広告代理店はメディアの枠を購入し、そこに広告を掲載し、視聴率(部数)を上げることで高価な料金を正当化できていた。メディア自体の希少性が薄れ、メディアの所有者が自社サイトのページスペースを広告枠として使いこなす能力を獲得することは十分に有り得ることだ。そうなった時、広告代理店の価値はどこにあるかと言えば、最期まで残るのはクリエイティブということになるだろう。しかしそれは、広告代理店の仕事ではなく、クリエイタ―としての仕事でしかない。

 

新聞社が紙からネットというパラダイム変換に対応している様に、広告代理店も新ビジネスモデルに移行せざるを得ないのではないか?